COLUMNE

計器の躍動

date created : 2024.8.15

white by : doukin

1950年代に製造されたロレックス デイトジャスト。シンプルで重厚、そしてイエローゴールド。ヴィンテージロレックスに求めるものはほとんどここにある。

密度のある引き締まったデザインは、この時計がいかに堅牢であるかを訴えかけているかのようだ。現代の腕時計のラインナップには、どこか間延びした面持ちのモデルも少なくない。そんな中で、こうして精悍な表情をもち、おまけにロレックスとくれば、この時計は多くの人に歓迎されるだろう。

細密なフルーテッドベゼルとアルファ針、楔形のインデックスと赤く印字されたカレンダーという、ヴィンテージロレックスにしか見られなくなった装飾的なディテールは、大きめで操作しやすい竜頭や細かく刻まれた目盛りとどこか対照的だが、これこそがロレックスらしさといえる。ディナースーツでも開襟シャツでも、あるいは生まれたままの姿であっても、このオイスターパーペチュアルは持ち主の腕に違和感なくおさまる。正確に時を刻むな計器でありながらも、そこには血の通った魅力が宿っている。天性のオールラウンダーであることが、このウォッチメゾンの名前を世界中の人々が知っている理由だ。

多くの人に愛され続けるデザインと、ヴィンテージらしいバランス感覚。イエローゴールドケースの魅力を、はじめてたのしむために選ぶのも良い選択だ。